2020-03-24 第201回国会 参議院 法務委員会 第3号
そのときの議事録は持ち合わせておりませんけれども、今御指摘いただきました講師の弁護士の方の見解として、我が国の裁判所において考慮されることがある例外的な返還拒否事由を説明したものと承知しております。その上で、講師の弁護士の方は、累次、我が国の裁判所は簡単には返還拒否事由を認めていないとして、子供を連れた安易な帰国は避けるべきとの趣旨の説明をしたと理解しております。
そのときの議事録は持ち合わせておりませんけれども、今御指摘いただきました講師の弁護士の方の見解として、我が国の裁判所において考慮されることがある例外的な返還拒否事由を説明したものと承知しております。その上で、講師の弁護士の方は、累次、我が国の裁判所は簡単には返還拒否事由を認めていないとして、子供を連れた安易な帰国は避けるべきとの趣旨の説明をしたと理解しております。
ところで、返還を拒絶することもできる場合がありますとハーグ条約の質問欄では書かれていて、子の返還拒否事由を主張する当事者は、それを裏づける資料を裁判所に提出する必要がありますと書いてありますが、この裏づける資料というのはどういったものなんでしょうか。
恐らく、今言われたのも、その相談事例だけではこのハーグ条約の返還拒否事由には私は当たらないというふうに思っているんですけれども、相談事例だけでこのハーグ条約拒否事由ということになるというふうにおっしゃるんですか。
返還拒否事由、子の返還が子を耐えがたい状況に置くこととなる重大な危険があること、こういう返還拒否事由がございますが、その判断に当たっては、常居所地国において子が申立人から身体に対する暴力等を受けるおそれの有無や、相手方及び子が常居所地国に入国した場合に相手方が申立人から子に心理的外傷を与えることとなる暴力等を受けるおそれの有無等の事情を考慮することとされております。
なお、子又は一方の親が他方の親からDVを受けていたなどの事情は、裁判所における子の返還拒否事由の有無の判断において考慮されていると承知をしております。
○黒岩委員 これはまだ事案の件数も少ないですし、何とも評価しづらいんですけれども、私の懸念事項は、今申し上げたように、我が国は、返還拒否事由については、多分、他の締約国に比べても結構詳細に詰めている国であります。
各論の方に入っていきたいと思うんですけれども、特に今、返還拒否事由についても触れましたので、やはり子の利益の確保ということに対してどのような実施状況になっているのか、また、どのような運用がこれからなされていくのか、この点についてお聞きしたいと思うんです。 特に議論になったのが、条約でいうところの十三条一項のb、子が常居所地国に返還されたときの重大な危険ですね。
○上川国務大臣 平成二十三年五月十九日の関係閣僚会議におきまして、ハーグ条約実施法案の作成に当たって盛り込むべき内容、これにつきましての了解事項として、具体的には、子に対する暴力等、そして相手方に対する暴力等、さらに、相手方が子とともに帰国することができない事情等が子の返還拒否事由として列挙されているところでございます。
委員会におきましては、ドメスティック・バイオレンス被害者への配慮の重要性と所在情報等の提供の在り方、子の最善の利益の尊重と子の返還拒否事由の解釈、中央当局及び在外公館の果たすべき役割と邦人支援等について質疑が行われ、また、参考人から意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
○有田芳生君 それでは、少し具体的な問題に入りたいと思うんですが、ハーグ条約の第二十八条二項、返還拒否事由にかかわってなんですけれども、暴力的な問題などについての議論は前回の法務委員会でもテーマになりましたけれども、宗教的な問題についてどうなのかということについて少し具体的にお聞きをしたいというふうに思います。
それで、今、外務大臣の御答弁のようなことも十分あり得ると思いますが、今度の法律に関連して言えば、二十八条第二項第三号で返還拒否事由の判断においても考慮することが必要になることでございますので、先ほど来、警察も外務省もそれぞれ情報をきちっと収集するのに努めるということでございますが、私どもも御一緒になってその情報をきちっと把握して、何というんでしょうか、この手続が誤りのないようにしていくように努めたいと
○政府参考人(深山卓也君) 宗教上の評価の違いあるいは宗教上の問題といっても、具体的ケースは様々な現れ方があると思いますので、一概にどういう形で考慮されるということを断定するのはなかなか難しいんですけれども、結局のところは、返還拒否事由の一つである常居所地国に子を返還することによって、子の心身に害悪を及ぼすことその他子を耐え難い状況に置くこととなる重大な危険があることと。
そういう場合には、子の返還拒否事由の存否を判断する過程でそのような事情が考慮されて、子供を返す返さないという裁判にそれが反映するという形になると思います。
そして今委員がおっしゃったような事項が子の返還拒否事由として列挙されていると。報告を聞きますと、これは諸外国の裁判例において考慮されている事件を類型化して、このような了解事項にしたというふうに報告を受けております。
○魚住裕一郎君 次に、返還拒否事由に関してお話を承りたいと思います。 返還拒否事由の中で、返還することによって子が心身に害悪を受けるというのがあります。
次に、子を返還するための裁判手続等につきましては、第一に、子の返還事由及び返還拒否事由のそれぞれについて条約に則した要件を定めることとしております。 第二に、子の返還申立事件の管轄裁判所を東京家庭裁判所及び大阪家庭裁判所に集中し、非公開で審理を行うこととしております。
さて、このハーグ条約につきまして国内実施法案の策定作業におきましては、子の返還拒否事由について特に多くの懸念が寄せられました。
この場合は、相手国の相手の親の監護の権利を侵害したということであれば確かに不法な連れ去りには該当いたしますけれども、この中で、これも条約あるいは法律の中で定められておりますけれども、返還拒否事由というのがございます。それに認められると、そういう返還拒否事由であるということを認定されれば子を返還する義務はございません。
○政府参考人(萩本修君) ハーグ条約に基づく子の返還手続におきましては、裁判所が法を解釈、適用する立場から、返還事由の有無、返還拒否事由の有無を実施法案が定めるところにのっとって審理、判断することになります。その実施法案の返還事由、返還拒否事由に外交上の配慮というのは掲げられておりません。
第二に、子の返還の裁判手続等については、子の返還事由及び返還拒否事由を定めるとともに、子の返還申し立て事件の管轄裁判所を東京家庭裁判所及び大阪家庭裁判所に集中し、非公開で審理を行うこととするなど、審理や裁判等に関する所要の手続規定を設けることとしております。
ただ、他方で、先ほどハーグの国際私法会議の事務局の統計を紹介されましたが、先日外務省の方からお話があった、子の返還がされた場合で平均百六十六日、返還拒否の判断がされた場合で平均二百八十六日というのは、それはそのとおりなんですが、実は中央当局に援助申請してからの時間です。
このハーグ条約実施法に基づく子の返還手続におきましては、ただいま法務大臣から御答弁がありましたとおり、不法に連れ去られた子供を常居所地国に返還する、それが原則であり、また、拒否事由が認められる場合にはそれが否定される、その辺の判断を行う、そういう手続でございまして、そこでは、条約に定められた返還事由がそろっているのか、あるいは返還拒否事由のどれか一つが認められるのか、こういったところが審理の中心になってまいります
だけれども、この法律は、本来、紛争があって違法な連れ去りがあった場合に常居所地国に戻す、これが原則である、それに対して一定の返還拒否事由がある。だから、その返還拒否事由の判断は、継続性の原則というようなことが言われますけれども、継続性の原則というのは誰が親権者として適当かという判断ですね。それで、返還拒否事由があるかどうかというのは、誰が親権者であるのが適当かという判断とは違います。
やはり、一番最初に申し上げました私自身の懸念事項と申しますのは、結局のところ、現在の日本の家事審判の実務の運用と、それからこの子の返還手続に係る返還拒否事由の手続の運用が軌を一にしてしまうことがあるのではないかという危惧なんだろうというふうに私自身は思います。なので、ぜひ、ほかの国でどうなっているかということを踏まえた上で今後の運用を考えていくべきなんじゃないかと私自身は考えています。
○深山政府参考人 もとより、海外の裁判例がどの程度参考になるかというのはそれぞれの事案ごとではございますが、一般論として申し上げると、この法律案で定めている返還拒否事由はハーグ条約を踏まえて設けられたものですから、ハーグ条約に関する各締約国の裁判例というのは、本法律案の返還拒否事由の解釈、適用に当たっても、有益な参考資料として裁判所で適切に考慮されるものと思っております。
○深山政府参考人 我が国の裁判所で返還拒否事由の判断をする際に、返還拒否事由は、何度も申し上げていますが、ハーグ条約に掲げられている返還拒否事由を基本的にはそのまま国内法化したものですので、それをどう解釈、運用するかというときの重要な参考資料として、既に締約国の裁判所で出されているそれぞれの返還拒否事由の判断内容を参酌して、これは既に公表されているベースの資料でございますので、参考にしながら日本の裁判所
ハーグ条約十三条第一項は、子の返還に異議を申し立てる相手方が、子の返還申し立て事件における当事者として返還拒否事由を裏づける資料を提出することを前提として、「証明する場合には、」と表現しているというふうに考えておりまして、その趣旨は、裁判所において返還拒否事由が認められる場合にはということと同義であるというふうに解されております。
もっとも、職権による資料の収集にも限界がありまして、また、子の返還申し立て事件の性質上、適正迅速な判断のためには当事者の協力が不可欠であるというふうに考えられることから、返還事由については申立人が、返還拒否事由については相手方が、それぞれ資料を提出する旨を定めておりまして、これにより、必要な資料の迅速な収集を促すことにいたしております。七十七条二項でございます。
○萩本政府参考人 前半のお尋ねについてお答えしたいと思いますが、まず、家庭内暴力、これが返還拒否事由になっているという御指摘がありましたけれども、実施法案におきましては、またハーグ条約そのものもそうですけれども、家庭内暴力そのものを返還拒否事由としているわけではありませんで、家庭内暴力があったという事実は、返還拒否事由の一つである「常居所地国に子を返還することによって、子の心身に害悪を及ぼすことその
一方、子の返還拒否事由ということで、二十八条の返還拒否事由の中に、二十八条の一項では子の利益のことを書いております。一項の一号には子が新たな環境に適応しているかどうかということが入っておりますし、そしてまた、今も御指摘がありましたように、一項の四号の子の心身に害悪を及ぼすということについての重大な危険等が拒否事由の判断になっております。
しかし、二十八条というところで子の返還拒否事由というものがいろいろ記載されているところ、ここについて少し問題があるのではないかと私自身は思っています。この二十八条一項というところに返還拒否事由が多数記載されていることによって、これで事実上、子の連れ去りの可否という観点において実体判断をしてしまう結果にならないかというふうに思っています。
やはり子の返還事由、返還拒否事由が極めて重要かなというのを改めて認識したものでありますので、この点について、ちょっと時間も限られますから絞って御意見を頂戴したい、このように思いますので、よろしくお願いいたします。
この一から三は、いずれも、第二十八条第二項の子の返還拒否事由の考慮事情のうち、第三号の「相手方が常居所地国において子を監護することが困難な事情」、これに該当し得ると考えられます。
○大口委員 外務省から、ハーグ国際私法会議事務局の判例データベース等で、各国の裁判所の返還拒否の判断をした裁判事案の概要、これを取りまとめたものが公表されているわけです。 この概要を見ますと、相手方の中央当局から母の入国について確約がなかったり、母に逮捕状が出ているために子供とともに戻れなかったりするような場合。
次に、子の返還拒否事由を規定する本法律案の第二十八条一項一号によりますと、返還申し立てが子の連れ去り等から一年経過した後になされたものであり、かつ、子が新たな環境に適応している場合には返還拒否できる、こうなっています。
次に、子を返還するための裁判手続等につきましては、第一に、子の返還事由及び返還拒否事由のそれぞれについて条約に則した要件を定めることとしております。 第二に、子の返還申し立て事件の管轄裁判所を東京家庭裁判所及び大阪家庭裁判所に集中し、非公開で審理を行うこととしております。
我が国の本条約締結に対しては、諸外国から早期締結を求められるとともに、子の返還拒否事由に関しては限定的であるべきとの意見も表明されているところです。 本条約は、国境を越えた不法な子の連れ去りまたは留置に関しては、原則、常居所地国への返還を義務づけています。
子の返還申し立て事件の相手方が申立人から過去に家庭内暴力の被害を受けたという事情は、子の返還拒否事由の一つである、常居所地国に子を返還することによって、子の心身に害悪を及ぼすこと、そのほか、子を耐えがたい状況に置くこととなる重大な危険があることの判断において考慮されることになりますので、具体的事案において、この返還拒否事由に該当すると判断された場合には、裁判所は子の返還を拒否することになります。
次に、配偶者に家庭内暴力の被害が生じる場合の子の返還拒否についてお尋ねがありました。 ハーグ条約及び本法律案においては、子の利益の観点から返還拒否事由が定められていますが、配偶者が家庭内暴力の被害に遭ったことをもって直ちに子の返還拒否事由に該当するものとはされておりません。
ただ、執行官が関与するというのは、返還拒否事由があるかどうかということが裁判でさんざん議論をされて、最終的に裁判所がこれは返還をしなくちゃいけないケースだというふうに判断をして、それが確定した場合、その場合には任意に返還をしていただけるというのが普通です。どうしてもそれを任意に履行していただけないときに、最後の担保として強制執行制度を設けております。
しかし、個別の案件で見ると、それが必ずしも子供の利益に合わない、むしろ害する場合は返還拒否できる。この仕組み自体が、一つ、子供の利益というのは何なのかということの方向性を示していると思います。
○深山政府参考人 委員御指摘の返還拒否事由、これは国内担保法の方で、日本法として規定がされていますけれども、その返還拒否事由は、条約で定められた返還を拒否できる事由を、文言の表現が一字一句同じという趣旨ではありませんが、日本の法律風に置きかえて、中身としては同じものを規定している。
まず、返還拒否事由の一つとして、二十八条第一項五号、子の年齢及び発達の程度に照らして子の意見を考慮することが適当である場合、その子供が返還を拒否したときは返還拒否できるとなっておりますが、ここで言う子供の年齢は大体何歳ぐらいを想定しておられますか。
○馳委員 では、この二十八条二項、例示として列挙されている三事情と、今申し上げた「その他の一切の事情」とは、返還拒否を判断する上で同様な重み、同等の重みを持っているのかどうかを伺いたいと思います。 例えば、三事情が皆無でも、「その他の一切の事情」ということに該当すれば返還拒否できる場合もあるという立法趣旨でしょうか。
○原政府参考人 ハーグ条約実施法案の第二十八条第一項各号に規定しております子の返還拒否事由は、ハーグ条約が規定しております子の返還拒否事由と同一のものでございます。すなわち、本法案の返還拒否事由の規定それ自体は、ハーグ条約に反するような広い裁量を家庭裁判所に与えたものではございません。
今まで、この条約を加盟するに当たって、DVの方は大丈夫ですよって言ってきたわけですけど、はなから証明できっこないような要件を課して、返還拒否の規定が機能しないということはあってはならないことだと思います。国内におけるDVや虐待に関する懸念に対して最大限対処できるような規定ぶりにできるようにしていただきたいと思いますが、もう一回法務省お願いします。
○政府参考人(團藤丈士君) ただいま委員御指摘のように、条約第十三条第一項bは、返還することによって子が身体的若しくは精神的な害を受け、又は他の耐え難い状態に置かれることとなる重大な危険があることを返還拒否の事由の一つとして規定してございまして、子の返還拒否事由につきましては相手方、すなわち子を連れ帰った者が証明するということに条約上されております。
○山本香苗君 まさに今團藤審議官がおっしゃったように、ハーグ条約に加盟するとした場合に、国内法で子の返還拒否の規定をどこまで盛り込めるのかというのが今大きい焦点となっております。 法務省による子の返還手続等の整備に関する中間取りまとめにおきましては、子の返還拒否事由について二つの案が併記されていました。